その日、夫が珍しく電話に出た。
普段は知らない番号から電話がかかってきても、夫は出ない。仕事の問い合わせは、全部、Eメールか携帯のメッセージ経由。
親しげに話していたので、知り合いからの電話かと思ったのだが、やたらと興奮気味でちょっと気になった。
電話を切ると、夫が「2日後に精密検査できることになった」と言うじゃないかっ!
約一年前に夫が突如倒れ、アワアワしながら救命救急センターへ行って以来、この精密検査の連絡をずっと待っていたのである。
(その時の記事はこちらからどうぞ↓)

自費で何千ドルと支払えば、すぐ検査はできたのかもしれないが、彼は待った。
その間、痛み止めを飲みながらの生活、生き方の改革、ストレスを減らすために色々やってきて、一時期は激ヤセしてしまっていた夫も、少しづつ元に戻り始めていた。
全身麻酔の精密検査で、器官を傷付ける場合もあるとドクターに言われていたため、検査自体にビクビクしていた夫。
病院に夫を送って別れを告げる時、彼はあたかもこれが最後のような顔をして、目に涙いっぱいためて検査へと向かった。
私も気が気じゃなかった。待っている間は、彼が無事でありますようにとずっと願っていた。
それから数時間後、彼からの電話に出ると、モゴモゴと何を言っているのか聞き取れない。
麻酔がまだ効いているのか、意識朦朧な感じで「えっ?何?よくわからないよ」と何度か言うと、横にいた看護婦さんが夫に代わって話してくれた。
「検査が終わりましたので、病室までお迎えに来てください」
ちゃんと話せない夫、大丈夫なのか〜?病室まで行かないといけないほど、やばいのだろうか〜?と私も泣きたくなるほど、心配しながら病院へと向かった。
病院が迷路みたいで、彼の病室に行くまで3名の病院スタッフに聞いて、ようやくたどり着いた。
ああ、どうしよう。ベッドでぐったりしている夫を見るのは、辛いな・・・と心の準備だけはして彼が待つ病室に入った。
大きな相部屋の病室に、ベッドに腰掛けていた夫。
あれ?携帯見ながら、余裕の顔。
彼の意識はしっかりしていて笑顔だった。

それから、近くに寄ってみると、胸元に何かの食べ物がバラバラと乗っかっていた。
「何か食べたの?」
「うん。コーヒーにローストハムときゅうりのサンドイッチを食べたら、めちゃくちゃ美味しかった!」
「え!そんな直後に、コーヒー飲んでいいの?固形物も食べていいの?」
検査後は流動食をと思い、準備をしていた私は拍子抜け。
検査結果を聞き、夫を支えながら駐車場へと向かう途中、彼がずっと話してくれたこととは?
(みなさま、心の準備をどうぞ)
・・・・・・・・・・・・
可愛いドクターのこと!
おいおいおいおい。こっちは、ずっと心配してたんだぞ〜。
どうやら若いドクターが麻酔の注射針を刺してくれたようだが、何度か失敗し痛かったにも関わらず、可愛かったので許せたそう。
これだから男は・・・笑。
それから、車の中でも云々とそのドクターと話した内容を説明してくれ、私はうんざり。
可愛いドクターとお話した後の記憶は、全くなし。
目が覚めた時には、既に精密検査が終わっていたのだそう。
もう何じゃラホイ!という感じで、心配をよそに検査は無事に終わったのであった。
検査結果は、やはりストレス性のもの。
ストレスは万病の元。
その通りでした。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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